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(2) 氷中推進性能

プロペラと砕氷片の干渉(排氷性能)

プロペラと砕氷片の干渉を定量的に評価する手法として、氷中自航試験で得られたプロペラトルクの時系列データ値を解析し、ピーク値で評価する方法を採用した。図3.3.5は航走一船長あたりのトルク値のピークが平均値の50%を越えた回数をカウントしFnベースで示したものである。Fnは次式(3.3.3)で定義したものを用いた。

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平成6-7年度の実験で得られたAd+CP船型(母船型船首と改良型船尾+Conventional Propeller)、Drd+CP(リーマ付き改良型船首と改良型船尾+ Conventional Propeller)、Drd+NP(リーマ付き改良型船首と改良型船尾+Nozzle Propeller)船型の実験結果(参考文献3.2.4、3.2.5)も併せて示す。

図3.3.5に示す様に本船はプロペラと砕氷片の干渉度が比較的低い。一般に船長が長く、船幅が狭い船の方が砕氷片は船底から流体力及び浮力により船側方向へ排除され易い。本船のLWL/BWLは8.2であるのに対しAd船型、Drd船型のLWL/BWLは7.5であり、この事を裏付ける結果となっている。氷海水槽底面観測窓からの観察でも良好な排氷性能を確認している。氷厚が1.2mと1.5mで船速が3knotの条件で実施した自航試験時の船底の砕氷片の流れの様子を写真3.3.7〜写真3.3.11に示す。砕氷片がスムースに船底から排除され、プロペラ面には達していない様子が判る。

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