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(3)救命艇揚降装置(ボートダビット)

救命艇等は救命艇揚降装置(ボートダビット)に積み付けられ、ダビットのつり索がモータ等及び手動で巻き延ばされることにより、艇の揚げ降ろしを行う。

SOLAS条約上の規定で、救命艇揚降装置の設置場所、スペック等については、第?章第48規則で定められている。

着氷に対するものは、第48規則1.9において、「進水装置は、実行可能な限り、着氷状態において有効なものでなければならない。」と記されているが、具体的温度条件は示されていない。

また、着氷に対する直接的な規定ではないが、保守要件を記す第?章第19規則4において、「進水に使用するつり索は、30カ月を超えない間隔で両端を入れ替えるものとし、つり索の劣化により必要になった場合又は5年を超えない間隔のいずれか早い時に新しいものと取り替えること。」となっており、経年劣化、環境による劣化は考慮されている。

また、第?章第48規則1.5では、「進水装置は、通常の保守が最小限となるように造る。船舶の乗組員による定期的な保守を必要とするすべての部分は、容易に近づくことができ、かつ、容易に保守することができるものでなければならない。」という日常の保守に係わる要件は記されているが、これも具体的温度要件は記されていない。

なお、現行の船舶救命設備規則でも着氷に対する要件は具体的には示されていない。

シーブ部、ワイヤ等は作動性の確保やさびの防止のために、一般的には多量のグリスが塗布されているが、メンテナンス面に十分注意をはらっていても凍結による作動不良に至る恐れはある。

海外のメーカの中には、特別な対策はしなくても、-25℃まで作動可能としているものもあった。(第5章参照)

図4-1-7に救命艇揚降装置(ボートダビット)の例を示す。

 

 

 

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