3.4 着氷海域
日本海難防止協会では、1970年末から1973年春までの期間に、北海道周辺とカムチャッカに至る海域を10海域に区分して、各海域の着氷階級の調査を行っている。
この報告2)によると、「階級1:氷が少し着いた」、「階級2:多くの氷が着いた」、「階級3:非常に多く着き危険なので氷割をした」の3段階の分類で、階級3が沿海州の沖合で最も多く、次いで、北海道日本海であり、一番少ないオホーツク海でも1,178件中40件を数えている。
着氷階級2と3は、北海道近海でほぼ4回に1回の割合で、遠い海域では3回に1回、或いは2回に1回の割合で出現すると報告している。
階級1から3までの着氷が発生した総数で見ると、多い順に、
?沿海州の沖合[46°以南、139°E以西]
?北海道日本海[46°N以南、139°以東]
?間宮(タタール)海峡[46°N以北]
?カムチャッカ半島沖[50°N以北、155°E以東]
?千島列島東岸沖[47.5°〜50°N、155°E以東]
?千島列島東・西岸沖[47.5°〜50°N、150°〜155°E]
?カムチャッカ東岸沖[50°N以北、150°〜155°E]
になっており、残り3つの地域は同程度で発生している。
また、沢田13)は、1966/67年から1968/69年の3冬期間に、日本海を航行中のソビエト船から寄せられた船舶気象報から44の着氷例を解析し、日本海における重大な着氷の発生は、ほぼ43°N以北の海面に限られ、北海道沖に比べて沿海州沖がはるかに着氷しやすいと報告している。