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4.2 重要課題の分析

 

海洋環境問題は学際的な広範な分野に及ぶため、課題を網羅的にリストアップしようとすると枝葉の問題の各項目への分散、項目や問題間の粗密差が生じてしまう(表3-1〜表3-4)。このため、細部を重視する余り、問題の本質、対策の焦点を見失うことになりかねない懸念が指摘された。

本委員会では、重要課題として取り上げられた項目を再整理し、社会的必要性や技術的可能性を考慮し、対策手法の研究開発について優先的な取り組みの推進項目を検討した。

重要問題の中には、21世紀の海洋環境を考える上で問題の重要性は高く、長期的には取り組みが不可欠であるものの、容易には有効な成果が得られにくい状況にある課題もある(表4-4)。地球規模または広範囲な領域を対象とした課題であり、現時点では環境対策の基盤となる科学技術の知見が得られていないためである。予研的な施策を講じるためには長期間にわたる観測データや広範囲な調査データが必要とされる、または、現時点では概念の整理や研究手法の確立が求められるのである。対策の実施が必要と強く認識されるが、研究開発の進捗状況を考慮して概念整理や手法確立の後に実施を検討すべきと考えられる。

 

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重要課題(表 3-1〜表 3-4)から将来的な課題(表4-4)を除外し、根幹をなす領域に枝葉の問題が位置づくように検討を加えた。現象要因、対策課題の目的などを考慮してグループ分けを行い、分類し直すと、概ね次の6つの課題群に整理される。(表4-5)。

 

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