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4 海洋環境問題における重要課題

 

4.1 重要課題の抽出

 

海洋環境問題について取り組みが求められる課題をできる限り網羅的に挙げると、表 3-1 〜表 3-4 のように、余りに課題が多いことに気づく。海洋に関する環境問題は、物質やエネルギーを通じて地球環境問題とつながっている(図 2-1)ことに基因する。しかしながら、現況の研究予算や研究設備、あるいは研究者の数などを考慮に入れると、これらの環境問題への対策手法を総合的に研究・開発を行うことには疑問が生じる。課題すべてを一律・均等に手がけるとすれば、必然的に研究資源の分散を生じることになり、有効な成果が得られなくなる可能性は高い。むしろ、社会的関心や対策手法の研究動向、技術的可能性、研究開発の費用対効果などを総合的に検討・評価し、対策が必要とされる重要課題に対して重点的かつ効率的な取り組みが求められている。上の表 3-1〜表 3-4に整理した環境問題の全体像を、シップ・アンド・オーシャン財団内に設置した「海洋環境対策手法に関する調査研究委員会」で分析・評価を重ね、総合的な見地から重要課題を抽出した。

研究資源を重点的に配分することによって取り組みが求められる個別の課題を以下(表 4-1〜表 4-3)に示す。これらの課題群は、表 3-1〜表 3-4約 250 の海洋環境問題の中から「重要課題」として選ばれた40弱の課題を、関連を考慮して整理し直している。

この「重要課題」には、短期的な研究では成果を得ることが難しいものの、研究開発への取り組みが環境保全のために積極的な貢献に結びつく課題であるため、中長期的を見越して研究開発を推進する必要性の高い課題も含まれている。

 

<評価項目>

・環境問題としての深刻さ 

・社会的関心 

・対策着手の必要性

・対策手法の研究開発動向

・技術的可能性

・費用対効果   など

 

 

 

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