日本財団 図書館


3.4 海底の環境問題

 

海域の底質には、多くの種類の汚染物質が蓄積している可能性がある。水流によって運ばれ堆積した汚泥や、水銀やPCBを含むヘドロの汚染が確認されている。底質にたまった汚染物質が舞い上がることによって汚染問題が再発することもあり、封じ込めや除去・浄化技術の研究開発が求められている。

また、科学的な知見の少ない深海領域の研究や、海底地形に伴う物理的な特性の研究も課題に挙げられる(表 3-3)。

 

042-1.gif

 

3.5 海洋環境と関連が深い地球規模の環境問題

 

地球規模の環境問題に関する研究の進展により地球規模の環境変化が明らかになるにつれて、地球規模環境問題の重要性と対策の緊急性が国際的に広く認識されるようになった。その中でも、化石燃料消費に伴う気候温暖化問題は、環境政策の国際的連携の必要性が強く叫ばれるようになった。

気候温暖化は海洋環境にも大きな影響を与えると考えられ、調査研究、監視・観測および対策技術の開発を一層推進していくことが求められる。現在までの科学的な知見の蓄積では、地球規模の長期的な環境変化を十分に把握するには至っておらず、現象の解明や予測の不確実性の低減に向けて継続的な地球環境研究の振興が必要とされている。

地球規模の海洋環境問題(表3-4)に挙げられるように、広範囲をカバーする大規模な観測が重要であり、観測によって得られた情報に基づいた現象のモデル化が予研的な対策に不可欠となる。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION