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(b)ゼオライト

北海道大学の岩本教授らは圧力スイング法(Pressure Swing Adsorption)によりNOを吸着分離する目的で種々の金属イオン交換ゼオライトのNOの可逆および不可逆吸着量を測定し、いくつかの金属イオン交換ゼオライトが高い吸着量を示すことを見いだしている(図2.3-3, 4)。

また、ゼオライト構造およびSiO2/Al2O3比の影響について検討した結果、Cu, Co, Ag-イオン交換ゼオライトのNO可逆吸着量は以下の順に減少することを見いだしている。

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また、ゼオライト中のアルミニウムの含有量が減少(=SiO2/Al2O3比増大)するにしたがって、金属イオン1個あたりの可逆および不可逆吸着NO分子数は増大すること、および銅イオン交換率が増大するとNO吸着量は直線的に増大することから交換された銅イオンのうち、吸着に関与できる銅イオンの割合は一定か、あるいはすべての銅イオンがNO吸着に同様に関与していると考察している。

一方、九石ら(産業創造研究所)は酸処理天然ゼオライトによるNOの温度スイング吸着法について検討を行っている(図2.3-5)。

この他にも松下電器産業の塩基性官能基を付与したゼオライトNO吸収剤の特許の例がある。塩基性官能基をもったシラン化合物を用いることでゼオライトに塩基性を付与し、酸性ガスの吸着能の向上を図っている。捕獲された酸性ガスは、水洗または加熱により吸収剤と分離が可能である。また、塩基性官能基はシロキサン結合によりゼオライトと結合しているため、加熱、水洗行程で担体からはがれないととしている(図2.3-6)。

 

(c)α-Fe2O3/ACF

一般的に鉄系酸化物のNO吸着能力は高く、これまでに数多くの報告例がある。金子らは鉄酸化物を高分散担時したミクロ孔を持つ活性炭素繊維(ACF)が超

 

 

 

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