(3)SOFの計測データ
・排ガスの排出実態
船舶からの排出実態に関しては、海上交通全体の排出負荷を把握する調査と、様々な運航条件で運航している船舶の排出実態の調査とがある。前者については前述したように、多くの報告が出されてきており、ほぼ状況がつかめるようになってきている。
船舶からの大気汚染物質の排出は、とくにSOx, NOxは、陸上からのそれらと比べてもかなりの量にのぼることがわかってきている。一方、個々の船舶に注目すれば、その運航条件によって抵抗特性や機関負荷状態が変わるから、汚染物質排出特性も変化する。しかし、これに関しては、前述の機関回転数とNOx濃度という対応関係がほとんど、負荷に応じて、排ガス組織を全て計測した例はほとんどない。
実船において出入港時に排出される、NOx濃度の変化を実測した例を図2.1-2および図2.1-3に示した。図を見てわかるとおり、現状では触媒が有効に作用する温度までは機能できていないことがわかる。