2.1.2船舶からのNOxの排出状況
(1)国際海事機関(IMO)のデータ
国際海事機関に提出されたノルウェーの資料によれば船舶から排出される各排ガス成分の排出係数は表2.1-2のようである。排出係数とは、燃料1kgを燃焼させたときに排出されるNOx, SOxなどのガス重量のことである。この値は推進機関の形式、燃料の性状、運転条件などによっても異なるもので、船によって変わるものである。米国やOECDなどの調査結果があるが、かなり大きな差がある。日本における最近の実態調査の結果では、ディーゼル機関からのNOxの排出係数は4サイクル機関では約59g/kg-fule, 2サイクル機関では約84g/kg-fuel程度であり、平均すると70g/kg-fuel前後になっている。この値はノルウェーの調査結果とほぼ同じである。一般的には、NOxの排出係数は2サイクル機関の方が4サイクル機関よりかなり大きい。
また、ここで排出されるNOxとはその大部分(95%程度)がNOであり、残りがNO2のことを示している。