経営状況は取り扱い魚種、地域、養殖方法や規模等により異なるが、圧倒的なシェアーを持つブリとハマチ養殖業は、昨今、未曾有の構造的な危機にさらされている。競合の激化と長期化する販売価格の低迷、回復の見込みの立たないマイワシの減少による餌料費の高騰、そして赤潮や疾病による成魚の歩留まり低下等々、悪い面だけを取り上げると枚挙にいとまがない。表は、九州地区の養殖業者の話をまとめ、コストを推定したものである。この中で最も変動が激しいのが歩留りで、これ如何でコストが大きく変わる。特にフグの場合は、2歳魚の歩留りが成否を決定するという。