水産物輸入動向
1995年のわが国の水産物輸入は、358万2千トン、金額では1兆7千2百億円であった。数量・金額ともここ数年増加してきており、総輸入に占める金額の割合は、5〜6%で推移している。魚種別で最も多いのは、金額面ではエビ類であり、数量面ではフィッシュミールである。輸入品は、国内の漁獲量と現地での生産量との絡み、あるいは、内外の市況変動によって、数量・価格が年毎に大きく変動するが、ここ数年の傾向をみると、魚類の搬入はほぼ一定しており、国内イワシ不漁を反映してのフィッシュミール輸入が増えている。フィッシュミールの最大の輸出国はチリであり、わが国の最大の輸入相手国は、数量面ではチリとなっている。金額面では韓国がトップで、次いで台湾の順になっている。
国内の養殖魚の市況に直接影響を与える活魚・鮮魚の輸入状況を下記する。
養殖生産の動向
日本の海面養殖は、1950年代は20万トン程度であったが、以降暫時増加し、1988年(昭和63年)にはついに130万トンの大台にのった。しかし、その後の伸びは進まず、1995年(平成7年)の生産量は131万5千トンと、前年を2%程度下回る結果となっている。
生産額でみると、1965年に820億円程度であったのが、10年後の1975年には3倍の2,536億円となり、さらに10年後の1985年には、5,225億円と倍増してきた。しかし、それ以降の10年間をみると、1991年の6,407億円をピークに伸び悩んでおり、1995年にはまた6千億円台を割り込む結果となっている。1988年には遠洋漁業を、1992年には沖合漁業を金額で追い抜いてきた海面養殖業に、今、いったいなにが起こっているのか。