4.2 高周波部
4.2.1 機能概要
高周波部は、既に試作したモード2の高周波部と互換性をもたせ、モード3及びモード2の切り換えを容易にする。高周波部の回路構成は、基本的にモード2で使用した技術を活用し、さらに直線性と経時変化の改善を目的とした検討を加える。本高周波部の機能ブロック図を図4.2.1に示す。
搬送波信号は汎用測定器を利用し試作作業の効率化を計る。
送信IF部は、D8PSK変調入力により搬送波を変調し、その後周波数変換を行い目的のVHF信号を得る。
隣接スペクトラムの改善及びスプリアス低減の為、送信フィルタ部を設ける。
送信PA部は直線性を重視した回路構成とする。また、サービス・ボリュームに必要な所要の高周波電力を得るため電力増幅を行う。送信出力の一部は低域フィルタ(LPF)からフィードバックされ、送信出力の安定化を計る。
一方、制御部からのTX ON/OFF信号により、モード3の特徴であるTDMAに必要な高周波電力のスイッチングを行い、必要なON/OFF性能を得る。
受信機は、受信空中線からの信号を増幅するとともに周波数変換し、変復調部へ送出する。近傍の航空機(地上局)と遠方の航空機(地上局)の管理バーストを同時に受信する必要があるため、ダイナミックレンジに配慮した設計となるよう検討する。