4.1.1 3T構成の概要
3T構成の航空機の通信開始から終了までの流れを図4.1.1に示す。
航空機の場合、チャンネル選択後、Mバーストに含まれる同期信号(Synchronization Sequence)により、最初にクロック同期が獲得される。
(1)同期信号(Sm)受信
トレーニング・シーケンスを受信することで同期を獲得する。トレーニング・シーケンスは送信電力の安定化を目的とするランプアップ部分とシステム・データ部分から構成される。
ランプアップ送信電力安定化後ユニークワードであるスタンダード・シーケンスS1を受信し各ビットのクロック同期を得ると同時に位相のアンビギュイティーを解消する。
スタンダード・シーケンスでは、ユニークワードS1は以下のデータである。
[2.5.4.1.2]
000 111 001 001 010 110 000 011 100 110 011 111 010 101 100 101
(2)TDMAスロットの同期
Mバースト内同期信号の第一受信シンボルにてTDMAタイムスロットを管理するクロックを同期する。この同期はLBAC11に存在する同期信号の第一シンボルで行われ、3Tモードの主時間基準点(Primary Timing Reference)となる。
この主時間基準に対し、代替間基準(Alternate Timing Reference)はV/Dバースト内同期信号の第一受信シンボルを基準として維持される。
[3.5.4.1.1][3.5.4.1.2]
(3)システム構成確立
?メッセージIDによるアップリンクバースト判定
メッセージIDを検出し構成を知る。メッセージIDは以下の区分に分かれており、ダウンリンクの場合は構成により異なる。
・0000〜0111:アップリンク
・1000〜1111:ダウンリンク
ダウンリンクの情報は3T構成の場合以下の区分に細分化される。
・3T構成のポーリング応答:1100