第5回 地域伝統芸能全国フェスティバル(島根)が開催されました
"まつりの交流"をテーマとした「第五回地域伝統芸能全国フェスティバル(島根)」は五月二十二日(金)から五月二十五日(日)までの二日間、「神話のふるさと」島根県で開催され、開催地島根県をはじめ全国各地、さらに海外(韓国)から集った伝統芸能団体が地域伝統芸能の神髄を存分に披露しました。
"くにびきメッセ″で開会式典の開幕
主会場の松江市"くにびきメッセ"入口の特設ステージでは、島根県を代表して金城町に伝承する石見神楽の演技があり、開会式典に臨まれる高円宮親王殿下ご夫妻を歓迎しました。
開会式典では、先ず、実行委員会最高顧問の瀬島龍三が「神々の国、出雲地方に全国から個性ゆたかな伝統芸能が集ったことは意義深く、優れた伝統芸能を味わってほしい。」と開会の挨拶。
来賓の高円宮憲仁親王殿下は、『社会や歴史、文化を反映した伝統芸能は二十一世紀に向けて重要。伝統文化を再認識して潤いある生活になることを期待します』とのお言葉を述べられました。
続いて、運輸大臣・通商産業大臣の代理として衛藤運輸政務次官と石原通商産業政務次官からの祝辞をいただきました。また地元を代表して澄田信義知事からは「郷土色豊かな芸能公演と、世代を超えた交流による心に残るフェスティバルになってほしい。」と期待と歓迎をこめた挨拶があり、そのあと、第五回地域伝統芸能大賞の表彰式が行われ、出演者を代表して、隠岐国分寺蓮華会舞保存会の皆さんに感謝状が贈呈されました(詳しくは巻末)。
記念公演
古代の祭事に使われたと伝えられる、荒神谷遺跡出土の銅鐸のレプリカが奏でる澄んだ響きが開演を告げると、松江市議行列太鼓の豪壮な太鼓が打ち鳴らされ、いよいよオープニング。司会・解説は、NHK「芸能花舞台」司会の山田亜樹アナウンサーと、水戸黄門役で諸国慢遊され地域のお祭りをよくご存知の佐野浅夫さん(俳優)の絶妙コンビ。先ず前回地域伝統芸能大賞受賞四団体を代表して、郡上おどり(岐阜)、淡路人形浄瑠璃(兵庫)、鈴かけ馬おどり(鹿児島)の記念公演。続いて松江市の友好都市である韓国晋州市の芸能保存会による剣舞・鼓舞や、地元の隠岐国分寺連華会舞の芸能が上演されました。
諸地域を代表して受賞された団体の入魂の演技は観客を魅了し、演技が終わるごとに惜しみない拍手が送られました。とりわけ鈴かけ馬おどりの、美しく化粧した三頭の馬が、お囃子にあわせてステップを踏む可愛い姿は、厳粛だった会場にお祭りの楽しさと笑いを呼び込みました。
杜の国島根をイメージして会場に植えられた杉木立が、深山の幽玄の世界と雰囲気を醸し出すと共に、音響を和らげる舞台効果を発揮して、出演者や観客からお褒めの言葉をいただきました。
日本海に面した島根県は古くから、国内はもとより、遠く海を隔てた日々との交流の拠点として栄えてきました。
歴史の教科書を大きく塗り替えるロマンを秘めた鋼鍔や釘剣の出土。
今でも旧暦10月を「神在月」と呼ぶ神々のふるさとならではの風習。
第五回地域伝統芸能全国フェスティバル(島根)は、こうした「歴史と文化と交流のふるさと」島根県にふさわしく、「まつりの交流」をテーマに華々しく開解されました。
会場となった松江市、大杜町は、連日、祭りに集い、祭りを楽しむ人々で大変な賑わいとなりました。