1. 中南米編
1) ブラジルの港湾活動の現況
(1) 取扱貨物量
ブラジルの全港湾における取扱貨物量の推移を示したのが表-1である。95年の港湾取扱貨物量は3億8,768万トンで、近年の経済成長を反映して、年率5%を超える水準で増加してきている。取扱貨物量に占める外貿の割合は7割を超えており、国内輸送における海上輸送の比重が極めて少ないことが伺える。また、外貿のうち7割は輸出で、主な品目としては鉄鉱石、大豆等穀物などの一次産品で占められている。輸入品の主要品目は、原油、及び製鉄関連の原料炭となっている。このような輸出入品目を反映して、取扱貨物量の荷姿は固形、液体のバルク貨物が9割近くを占め、一般雑貨は1割強となっている。
ブラジルの港湾では一般雑貨の取扱量が極めて限定的であるが、94年以降の経済安定化政策の定着に伴う消費活動の活性化を反映して、年率10%を超え増加してきている。
同様のことは、コンテナ貨物の動向についても当てはまる。表-2はブラジルの港湾におけるコンテナ貨物の取扱いの推移を示したものであるが、94年から95年にかけて個数、貨物量とも26〜7%の増となり、95年では177万TEU、1,651万トンとなっている。特に、輸入貨物の増加が著しく、商品輸入が活発化していることが伺える。
(2) 主要港湾
主要港湾の港湾別取扱貨物量を示したのが表-3である。これによると上位5港で全ブラジルの港湾取扱貨物量の5割を超える貨物を取り扱っている。特に、最上位に位置するツバロン港及びイタキ港は取扱貨物のほとんどが鉄鉱石の輸出となっている。
大型船が入港可能なサンセバスチャン港は、サントス港にかわる石油類取扱港として大規模な石油ターミナルが整備され、原油の輸入及び石油類の国内への輸送が主となっている。また、セペチバ港は手狭になったリオデジャネイロ港から一部機能を移すことを目的で建設された港で、鉄鉱石、石炭が主要な品目である。
他方、サントス港、リオデジャネイロ港は、背後に大消費地、生産地を控えているため、多様な品目を取り扱っている。内貿の割合も多く、二次輸送の中継港としての役割を果たしている。特に、サントス港は、表-4に示すとおり一般雑貨においてもブラジルの中で最も取扱が多い。サントス港の取扱貨物量のうち約36%は一般雑貨で、その量はブラジル全体の一校雑貨取扱量の約30%を占めている。また、表-5にあるとおり、サントス港は、コンテナ貨物取扱量もブラジルの中では抜きんでており、その取扱は個数、量ともブラジル全体のほぼ半分となっている。サントス港の一般雑貨の約63%はコンテナ貨物として取り扱われている。
コンテナの取扱がリオデジャネイロ港に次いで多いのがパラナグア港である。パラナグア港は、穀物等の農産品の輸出港として機能してきているが、近年、コンテナ貨物の取扱が増加している。これには、サントス港における荷役の非効率さ、利用料金の高さが影響していると言われている。