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4.3. 現場円錐貫入試験

4.3.1.試料、試験実施場所、試験日及び参加者

現場円錐貫入試験は、テウディエ(Teoudie,ニューカレドニア)産ニッケル鉱(テウディエ鉱)とゲベ(Gebe,インドネシア)産ニッケル鉱(ゲベ鉱)を用いて、それぞれ大平洋金属(株)八戸製造所、(株)日向製錬所において実施した。各試験の日程及び参加者は以下の通りである。

テウディエ鉱の現場円錐貫入試験(八戸)

日 付:  平成9年9月16日乃至19日(うち実験は17日及び18日)

参加者:  浦 環    (東京大学生産技術研究所)

日中 正人  (船舶艤装品研究所)

太田 進   (船舶技術研究所)

飛延 孝男  (日本海事検定協会)

ゲベ鉱の現場円錐貫入試験(日向)

日 付:  平成9年10月6日乃至9日(うち実験は7日及び8日)

参加者:  田中 正人  (船舶艤装品研究所)

大田 進   (船舶技術研究所)

山尾 崇   (船舶技術研究所)

飛延 孝男  (日本海事検定協会)

4.3.2.試験方法の概要

試験の実施に際しては、約2トンの試料を用意し、適宜水分値を調製し供試体を形成しながら、円錐貫入試験を実施し、また、水分値計測のための試料の採取を実施した。

円錐貫入試験の手順の概要は以下の通り。

(1)供試体を崩し、厚さ15cm程度になるように、試料を床に広げる。

(2)可能な限り偏らないよう、試料に所定の水を加える。(水をまく。)

(3)試料を山にして押し固め、また崩して、混ぜながら、均一にする。

(4)供試体を形成する。

(5)円錐貫入試験を行う。

(6)水分値を計測するため、試料の一部を採取する。

(7)(1)から繰り返す。

円錐貫入試験終了後に、実験室試験のため、同試料をドラム缶2本分採取し、船舶艤装品研究所に送付した。

ニッケル鉱は、水を加えて撹拌した直後と充分な時間放置した後では剪断強度が異なることが、これまでの研究(実験室試験)の経験により分かっている。これは、ニッケル鉱は細かい粒子を多く含むので透水性が高く無いため、試料に水を加えた後に充分に撹拌し、巨視的には均一になったとしても、微視的には水分の高い部分と低い部分が存在し、剪断強度は試料の弱い部分、即ち水分の高い部分に依存し易いためと考えられる。

実際の貨物は、水分調製を行ってから充分に時間が経過した場合に相当する。そのため、

 

 

 

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