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ま え が き

 

本報告書は、日本財団の平成9年度補助事業「危険物の国際基準策定に関する調査研究」に基づいて作成したものである。

 

1. 目的

 

国連危険物輸送専門家委員会(以下「国連委員会」という。)は、危険物輸送に係わる基本的要件(危険物の定義、分類、容器基準、評価試験方法及び判定基準等)について検討を行っている。同専門家委員会で決定された基準等は危険物輸送に関する国連勧告としてまとめられ、海上運送をはじめとした各輸送モードの国際運送基準(海上運送においてはIMOのIMDGコード)に取り入れられている。

このような背景から、同専門家委員会に対処するための委員会(危険物輸送国連対応委員会)を開催し、わが国意見の集約に協力する。また、専門委員を派遣し、わが国意見の反映を図るとともに、必要な情報を収集することを目的とする。

 

2. 国連第13回及び第14回小委員会

 

国連危険物輸送専門家委員会は、西暦奇数年に2回の小委員会、西暦偶数年に1回の小委員会とこれら3回の小委員会での検討を最終的に承認する目的で1回の本委員会を全てジュネーブの国連欧州本部にて開催している。この本委員会での結果を反映した「危険物輸送に関する国連勧告」改訂版は、西暦奇数年の2年毎に出版されている。

従って、平成9年(1997年)は7月7日より同月18日まで第13回小委員会を、12月8日より同月19日まで第14回小委員会を開催した。これに対処するために、危険物輸送国連対応委員会は委員会及び関係部会を開催し対処案をまとめ、専門委員が国連危険物輸送専門家委員会小委員会に出席して討議に加わり、小委員会終了後は、危険物輸送国連対応委員会及び部会を開いて国連での討議の報告を行った。

わが国は、反応性物質の分類並びに関連試験法及び判定基準に関する提案として平成7年度に開催された第10回小委員会に「新国連統一圧力容器試験に関する日本の考え方」を提出して採択された。危険物輸送国連対応委員会では、このわが国提案が採択されたことにより、国連委員会へ具体的試験法を提案するための検討を関係部会において行っている。昨年度は、この圧力容器に関する提案としてオランダと共に第12回小委員会に「新圧力容器試験」(R.758),第19回委員会に「新国連圧力容器試験の開発」(R.525)を提案したが、本年度は、2年間の継続審議になったため提案文書は提出していない。平成10年夏の第15回小委員会または平成10年末の第20回委員会に提出する予定である。

本年度のわが国は、新規有機過酸化物化学名の追加提案(97/35)を行った。

この報告書は、これら対処案及びその結果をまとめたものである。

 

 

 

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