(3)バスと一般車との所要時間における相関
バスと一般車との所要時間における日毎の相関係数は、0.352〜0.928となっており、日によって大きな差違がある。(相関係数は両者の増減傾向を比較する値であり、相関係数が1の場合に両者の増減傾向が等しい。)
所要時間の変動が小さい場合は相関係数が低い傾向があり、所要時間の変動が大きい場合に相関係数が高い傾向がある。特に、相関係数がもっとも低い小港発・桜木町着の2/21の場合、図4-4-5の所要時間の遷移において、一般車の所要時間はほぼ一定しているが、バスではある程度の所要時間変動がみられる。スムーズに流れる道路状況下においては、バス乗降客数の違いによる所要時間の変動が相関係数の低さ(所要時間の増減傾向の違い)に大きく影響していることも想定される。
また、所要時間変動が大きく、相関係数が高い小港発・桜木町着の2/24の散布図(図4-4-6)において、一般車の所要時間(8〜36分)に対するバスの所要時間がほぼ一定の幅(10〜15分程度の幅)をもって散布しており、バス乗降客の問題など、バスと一般車との違いが、道路混雑度合いの大小によらずほぼ一定の影響を与えている状況が確認できる。
バスロケーションシステム、交通管制システムの双方において、お互いに所要時間を補完するなど、バスと一般車との相関を利用する場合は、所要時間の変動が大きい場合に限定して増減傾向の相関を利用するか、またはバス乗降客数の変動を把握する手段を導入した上でさらなる検証を実施する必要があると考えられる。