4-2-5 アンケート結果のまとめ
モニターアンケート等のアンケート調査から、今回の実証実験のような、バスの運行情報サービスの有用性については以下の点が指摘できる。
【指摘事項】
?@家庭や職場から最新の情報や、リアルタイム情報が見られることの有用性は高い。(問6より)
?Aまた、これらの情報提供は、バスの現在の運行状況や、ネットワークを利用者に提供することにより、利用者の交通手段選択行動及びバス利用の活性化にも繋がっていることが指摘できる。(問4,問5より)
?Bしかし、インターネットによる情報提供に対しては、接続のための手間と接続に要する時間に対して不満点も多くあげられている。(問7より)
【今後の方向性】
○今回の実証実験を通して、リアルタイム情報の有用性と、バス利用促進への寄与も確認された。今後は利用者にとって、より利用しやすく、アクセスしやすい情報の提供方法に関する検討が重要と考えられる。
また、利用者の利用目的場面ごとに求められる情報項目を整理すると、以下の通りとなる。(問2より)
【指摘事項】
?@何れの場面でも、“時刻表”の利用機会が多く、特に不定期なバス利用での利用頻度が多くなっている。
?Aまた、バス運行情報提供システムの利用は、定期的な目的時よりも、不定期な目的時の方が多く利用されている。
?B“バスの現在位置”、“到着予定時刻”、“バス停間所要時間”といったリアルタイム情報は、“時刻表"に次いで利用頻度が高く、ここからもリアルタイム情報の有用性が伺える。
【今後の方向性】
○バスの時刻表情報については、固定情報でもその有用性は高いことから、リアルタイムな情報提供までの途中段階としても、各バス事業者が自社の時刻表情報を利用者にサービスすることの意義は大きいものと考えられる。
今後のシステムへの要望としては、サービス内容及び、提供方法について以下の要望があげられている。
【指摘事項】
?@“情報提供対象の拡大”、“検索機能の付与”といった情報システムの普及とシステムの改良に関する意見が出ている。(問3より)
?Aまた、“バス車両内の混雑状況”、“道路の渋滞・事故情報”といった、交通手段選択の基礎となる情報項目への要望も高い。(問3より)
?B今後、情報提供が望まれる場面としては、現在でのバスロケーションシステムなどによる情報提供が行われているにもかかわらず、“バス停”が最も多く、次いで“駅・デパート”、“公共施設”といった外出先の滞留地点が多く指摘されている。(問10より)
【今後の方向性】
○今後の方向性としては、各バス事業者が自社の情報を提供するとともに、事業者相互の情報提供・交換が可能なようにシステムの標準化を進め、利用者にとっては、あたかも1つのシステムの中で複数事業者、複数交通機関のリアルタイム情報が受けられる事が望ましい。また、これらの複数事業者情報を統括する形で、最適経路情報を提供する情報提供事業者が現れることも期待できる。
○したがって、各バス事業者が、統一的な標準仕様に従い、自社情報を積極的に情報化し、関係事業所間で相互に交換できるような状況が望まれる。