すから、食糧の飢餓状態が生じているということを知っている。逆にこのための油断があって、我々のほうがはるかに経済力が豊かであって軍事力も高いと、したがって北朝鮮が攻めてくるわけはないというような、これは情報が遮断されないための安心感が逆に出ているということはあるのです。しかし朝鮮半島がいい例でありまして、交流というものがいかに危機回避に役に立つかということになると思います。
こういう例はたくさんあります。韓国における嫌日感情といいますか、日本を必ずしも好まない感情というものはこれは底流しているわけです。これは歴史的なものがあるのだろうと思いますが、にもかかわらず最近急速に韓国における親日感情が増しているわけです。これは実は飛躍するようですけれどもJRさんのおかげなんです。JR九州が博多―プサン間に高速フェリー「ビーグル1号」というのを就航させている。毎日1便なんですが、これが片道2時間50分で韓国に行ける。同時に韓国からも2時間50分で来られるということになりまして、両方の大学生の交換が非常に盛んになった。これこそ交通ネットワークがもたらす危機回避、いわゆる危機管理になっているだろう、対日感情が好転している一つの大きな理由になっているというふうに思われるわけです。
JR九州の例が出ましたけれども、今、アジアに対して非常に健闘しているのが九州です。なかんずく福岡県なんです。今、九州にはテーマパークがいろいろありまして、例えば福岡で言いますと福岡ドームであるとか、キャナルシティーであるとか、それから宮崎のシーガイア、長崎のハウステンボスというものです。長崎のハウステンボス、それからシーガイアはバブル崩壊後の不況下でどうして経営を維持してきたかというと、これは間違いなくアジアからの観光客でもっているわけです。
2. 観光は創り出すもの
そこで、どうして九州がそういうことになったかということですが、私は常々観光とはつくりだすものであるというふうに思っています。ラスベガスがいい例です。ハワイもそうです。何かクリエイトしなければ観光というのは生じない。クリエイトして話題性を持たないとだめである。だからラスベガスは砂漠の中の、それこそ変哲もない砂漠の街だったけれども、ここに賭博場ができ、それがさらに発展して、今やディズニーランドのような総合娯楽センターになった。
ハワイももちろんつくりだされた観光地です。白い砂もどこかからワイキキビーチまで運んできたのです。そういうふうにつくりだすという発想がないと観光というのは成り立たないと私は思うのです。
この前、九州の熊本に呼ばれまして、熊本の観光の将来のような話を「熊本日々新聞」でさせられたのですけれども、私は熊本には話題をつくろうという意思がないところに非常に問題があると思います。なぜみんな福岡に行ってしまうのか。この間「福岡日々」に出ていましたけれども、増加を続ける週末福岡人、「週末福岡人」という言葉ができている。それは週末になるとJRあるいは西鉄の高速バスを利用して、佐賀から、熊本から、大分から、週末になるとみんなドッと福岡にやってくる。それでどうして福岡にやって来るかと言えば、福岡は九州で唯一ミュージカルが見られる場所である。キャナルシティーにミュージカルの劇場がある。それから話題性の非常に豊富な映画館がある。映画館が5つも6つも入っている建物があって、そこには1,000円出せばどの映画でも何回でも見られるような話題性を呼ぶものがある。絶えず話題があるから繁盛するわけです。
私は何も使わないとだめだと思います。