ないと無理かなというところに来ていると思うんで、今回皆さんに来ていただいて一つの作品にまとめているんですけれども、ある程ダムタイプとしては実験的な作り方をしていると思っています。
藤本●『S/N』と比べるとよくわかると思うんですけれども、あれは本当に古橋がメインというか、すごく頭の中にイメージがあって、それを各人にいろいろ丁寧に話をして伝えて、組み上がっていったんですけれども、最終的に映像も入って人も入って自分が照明入れて舞台見たのはアデレードの初演のその日でしたから、そういう作り方だったんですね。それと比べると『OR』は本当に話している量も、全体の話をする量も全然違ったし、ボツになったイメージもいっぱいあって、人に見せる前にしばらく時間があって作ったというのはこれまでのダムタイプの作り方とはちょっと違ったという感じですね。
高谷●でも全体のしゃべる量で言うと、『S/N』のほうが多かったと思う。下準備でガーッとしゃべるという意味ではものすごくしゃべっていたから。
山中●ダムタイプのメンバーだけでずーっとこもって作品を作るというのと、『S/N』の時はもっと多岐にわたる状態、いろんな人が出入りして話をするという下準備みたいなものが結構長かったような気がするけどね。
藤本●いや、しゃべるって言ってたのは、中身の話じゃなくて、ビジュアル面を見ていた時とか、実際に舞台の中のことというのをしゃべるのはやっぱり『OR』の方が僕はしゃべってた気がするんだけど。『S/N』はその前のどう作るか、何を作るか、どう見せるかっていう舞台に上げる前の状態のことを延々ほとんど1年ぐらい、もっとかな、しゃべってたっていうイメージがあるから、その違いというのもあるし。
熊倉●延々しゃべってたっておっしゃるんですけれど、具体的にはどういう状態なんですか。例えば今回の『OR』についてだと、フランスの、ベルギーの国境近くの小さな町ですか、人口数万ですかね、そんな小さな町の劇場を、本番の会場をそのまんまブロックして朝から晩までやったんですか。
山中●そう、24時間。鍵もらって、勝手に入ってやってくれと。
熊倉●家一件用意して?
山中●でかいアパートに16名から17名ぐらい一緒に住んでたんだけどね。一月共同生活で24時間全部、その作品作るために使える状態。
熊倉●合宿状態ですね。
山中●合宿だよね。
藤本●いいように聞こえますけど、タコ部屋みたいなもんですから。見られないですからね。(笑)
高谷●難しいですね。今もそういう意味では今日のこの本番始まる前にちょこちょこっとこれはこうしたほうがいいんじゃないかとか、って言って、照明つけてみて、立ってみて、これも違う、あれも違うと。やっぱり昨日のままやろうかとか、そんなことをしているんですね。誰かが、ここやっぱり引っかかるよねとか、ここ絶対おかしいとか。そういう意味ではもっと繰り返していけば完成度上がっていくのかな。そういう意味では終わりなき製作っていう感じで、決定しているっていうか、今出ているアイディアの中で、これが一番ふさわしいなというのを決めていくという感じなんですよ。完全に消去しちゃうんじゃなくて、例えば今使ってないシ