4. 郷土芸能・文化財
南牧村の無形民俗文化財としては、まず、檜沢神社の神楽があげられる。萱天之岩戸神楽といい、神代の天之岩戸の古事にあると伝えている。萱の集落は全戸が神道で、工藤姓が多く、鎌倉期の工藤祐経から出ているという伝えもある。神楽は、工藤家一門の人々だけでは継承が困難になり、昭和32年、萱部落全員で何とか存続していこうと、神楽保存会が結成されて現在に至っている。
また、大日向の火とぼしが有名である。
住民の先祖が、武田信玄が上州に攻め入った際、常に圧政をしていた小幡の領主に反抗して武田勢を助け、小幡の軍を打ち破った時の喜びを「火祭り」の形で伝えたものと言われる。8月14日の夕暮れになると、長い松明(たいまつ)をかついだ子供達が火とぼし山へ登る。山の子供達は、長い松明に火をつけると一列になって折り曲った道を下る。一方南牧川にかかった橋や川原では90cm程の長さで直径50cm程の麦わらを束にしたものに火をつけ、縄をもって振りまわす。山から下る火と川原の火は、いっせいに振り回されて、火とぼしは最高潮となる。かつては、大久保、広瀬、山仲でも行われていたが、現在では、大日向のみに残っている。