以上の結果から、最近10年間で人口が増加した集落の特徴としては、次のようなことがいえるであろう。
■ 人口減少集落と比較すると中心・基幹集落比率がわずかに高い。
■ 地域別では「関東」「九州・沖縄」の割合がやや多くなっている。
■ 現在の集落人口が多い。(とりわけ人口150人以上の集落)
■ 中間地・平地集落の割合が高い。
■ 役場からの距離が近い(とりわけ5km未満)
■ 今後人口は増加もしくは横ばいに推移すると想定される。
先の人口減少集落の特徴と比較すると、非常に対照的である。上記を総合すると、集落人口の維持拡大にとっての条件とは、?@平地の市町村の中心付近に位置すること、?A多くの人口を抱えていること、ということになる。
しかし多くの過疎集落はこの条件には当てはまらない。山間地で市町村の中心地からは遠く、人口も少ない集落が大半である。今後はこうした条件不利地域の小規模集落をどのようにして、住みよい場所としていくかが課題となろうが、それ以前に現在の集落衰退に早急に歯止めを掛けることが急務である。
対応策としては先の調査結果から、住宅整備をはじめとした生活インフラ整備の重要性が再確認された。近年では都市から地方の農山村へ移住する人々(Iターン)が注目されている。この人達の一番の苦労は住む家を探すことであるという。来る者を受け入れる体制をどこまで整備できるか。今後は地域内のみならず、地域外も念頭に置いた集落整備が必要となろう。