(Hさん) “子ども返り”から素敵な奥様にもどった。失禁も消失。趣味を生かした生活ができるようになった。記銘力低下はわずかだが改善している。
(Yさん) 失禁が消失。発語内容が豊富になった。半年間で2回骨折しており、現在は手術を目的とした入院を経てから地元の特別養護老人ホームに入所。
(Mさん) 表情が明るくなり、楽しい会話が可能になる。カラオケがますます上手になった。しかし記銘力低下、見当識は徐々に悪化。
(Iさん) 情緒のコントロールが困難。好きな調理にはりきっている。
(Sさん) 最年長者であるが、Mさんの娘役。徘徊や不安抑うつ感は消失。本来の元気さが出てきている。
これらから次のような点が、グループホームケアの利点として引き出せるように思います。
?@ 表情が明るくなり、発語内容が豊富になる。
?A 生活リハビリがしやすい。
?B 排尿誘導がこまめにできるため、失禁が消失。あるいは軽減。
?C 就寝前の入浴が可能であり、排尿覚醒が減少し、熟睡しやすくなった。
?D 本人の得意分野や技能が生かせる。
これら5つには利用者本人のケア効果と満足度が表れていますが、その家族も時々グループホームに参加しては、本人の変化をみて満足しているようです。しかし、“もみの木の家”もオープンから4年たち限界が見えてきています。心身の病状悪化や死期を迎える準備ができていないのです。それをみているスタッフも喜びとともに、4年間の経過のなかで疲れを訴えるスタッフもおり、勤務時間・勤務内容・支援体制・研修内容について再検討、さらに配置転換に入っています(表4,図3,4)。
ここで3つのグループホームから得たものを記しておきます。
・ もみの木の家 : 痴呆対応型グループホームの運営に必要なノウハウを確立した。居住空間への配慮とともにスタッフ配置とその研修内容、さらに運営方法を得た。
・ トマト荘D号 : 金銭的にいかに安くできるかを研究で