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ています。「日本が自動車を作るような熱心さで、リサイクルをやったら、もう世界のリーダーシップを握ることは間違いない」と、これはかなりの皮肉です。それで、自動車を作るような熱心さでリサイクルをやると大変、変なことになるんですね。今、日本のトップ産業は自動車ですから、リサイクル産業がトップになるということは、ドイツでもすでに起こってますね。リサイクル会社があるんだけれども、ごみが足りないという状況になっているそうです。これが、トップ産業になったら、「もっと使え、もっと使え、そしてもっとごみを出せ、そしてリサイクル」ということになってしまいます。

だから、これはおかしいわけでして、大量生産・大量消費・大量廃棄があるからリサイクルがいるという形は、見直さねばならない。そうするとその技術をどこへ使うべきか。作らない技術ですとか、もっと長持ちさせる技術ですとか、そういうことが当然要ると思います。

リサイクルが一番最初に始められたのは1913年のハーバーという化学者がアンモニア合成のプロセスで使ったんだということをご紹介しております。

大事なのは、最初にリサイクルは、”re-cycle”(リーサイクル)でして、”cycle”(サイクル)という言葉に重要性があったわけです。”cycle”という言葉は、例えば、海の水が蒸発をして雨になって降って、川へ流れ出して、また、海へ戻ってくるという時間の”cycle”ですね。水の循環の場合は約15日という時間のサイクルが大事なんです。今、牛乳パックを破って捨てた、さあすぐリサイクル、明日はトイレットペーパーで帰ってくるということをやりますと、エネルギーを食い過ぎる訳です。だからリサイクルの基本は太陽エネルギーをうまく使う、土壌微生物をうまく使う、こういうことです。

私たちの身の回りにある身近な例でこの種のリサイクルの話をしますと、下水処理にちょっとなじみのない方も多いかもわかりませんが、こちらから下水が入ってきて曝気層で空気が吹き込まれて、この中で活性汚泥という微生物が成長していく、そしてそれが沈殿されて、まだしかしこの汚泥、微生物は元気いっぱいなので、その約4分の1から半分をもとに戻すのが技術的に非常に成熟をしたリサイクルなのです。下水は曝気層の中をおよそ4時間から6時間で流れていってしまうのです。こうグルグル回ってますが、活性汚泥が何日間ぐらい生きているかという勘定をしますと、数日(5〜6日)間は循環して下水浄化のため働いているのです。ついでに言いますと、下水処理するということは、下水中の有機物を炭酸ガスと水に換えるというのが仕事であります。大部分の方がご存じないと思うのは、下水を処理するときに炭酸ガスが出ているのですね。実は都市のいろいろな設備の中で一番沢山炭酸ガスを出しているんですよ。

今、炭酸ガスの議論をしているところでは、全然そういうところの話はされてません。で、どうも炭酸ガスの地球サイクルの問題が、政治とか政策に直結しすぎているんではないか。同じような意味で、ちょっとこれは突然図柄をかえましたが後でこの絵を思い出していただいて、よくお考えいただきたい。

私たちの社会が成熟するということは、ここに文化と書きました。文化として定着するとそう簡単にやめることはできない。同じ形で人間や町やシステムがあって、そこで文化として、定着したものを教育という課程でリサイクルをするということになるのではないかというのが、私の、これも20年程前に書いた絵であります。で、文明と文化と書きましたのは、そういう意味でございます。大量ということがどれだけおかしいかということの一つの例をお示しいたします。日本のリサイクルがどれほどその役に立っているかという数字です。1970、1990、1994と書きましたが、70年と90年の間に石油ショックがありましたので省いているのですが、最近ちょっと経済・景気が悪いといわれていますが、この間ずっと経済は成長してきておりますので、国内、および海

 

 

 

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