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私は、このバスに乗りました。それは日常のありふれたものですが、私が育ったクリーブランドのトロリーバスを思い出させるものでした。もちろんトロリーバスは上方に電気架線が必要ですが、これは架線無しです。

加えて、私はバラードのバスが今まで乗ったバスの中で一番効率が良く(45%を超える)、車載上でいろいろな装置を備えているということに疑いを持ったくらいでした。

 

今後の動向

バラードがすでに製作している第2段階のバスは第1段階のバスに比べ出力は2倍になる。その車は、若干の重量増加はあるものの、生産されているディーゼルの出力、大きさ、航続距離と同じである。現在開発中で、1995から1996に完成予定の第3段階は航続距離増加のための回生ブレーキを備え、先進燃料電池の出力は5倍に増加している。

非常に印象的であるけれど、それらの進歩は絶対的に必要なものである。規制によって、今日、燃料電池電気自動車への大きな関心があることは明白である。しかし、技術はコストと効率において成功もすれば失敗もする。事実、自動車メーカーはPEM燃料電池のコストは95%低減されると期待している。これは現在のレベルの20分の1である。

これらのコスト低減のいくつかはほとんど検討中である。他のものも見込みはある。たとえば、燃料電池の白金触媒がある。今日の触媒への白金の担持量は自動車の排気触媒に比べ非常に多い。自動車の排気触媒の場合、少量の白金コーティング担持が開発されている。

効率向上に向けた研究開発努力はすでに払われた。バラードは触媒を75%減らした燃料電池の実証を行った。他の研究は交換膜の性能を改善するものである。同時にコストを80%低減するものである。

他の例として、電池の端子板は通常グラファイトでできていたが、材料の中に精巧な溝を作るため製作費が高く、重量も重かった。開発中のものは複合材を使ったより薄い板で、溝の設計は表面積を最大限広げるものである(電流に関係していることを想像できると思います)。複合材は成形するのにそれほど高い材料ではなく、カーボンファイバーは特許で溝の形状が押さえられており、高価である。また、コンピュータチップの加工技術の応用ができ、加工プロセスのコストが安くなる。

燃料電池技術は短期間で大きく進歩した。バラードの広報者は、私に言った。“人々はここに来て「燃料電池はどのように作用するものなのですか?」とよく言ったものだった。今は「値段はどのくらいで、いつできますか?」とたずねます。”

 

技術の発生

視野に入っているとの技術全てにたとえて言えることである。1960年代にさかのぼると、放出されたエミッションを刺激することで光を増幅するなにかに関する理論的研究がその中心であった。コスト的にとの概念に基づいた装置が実験室でまず現れた。それから、軍事的ハードウェアやハイテク産業での魅力的応用技術が育った。

今日、この記事にあるように、プリンターは非常に高品質で文字が再生されている。この記事を読み返す間、私はCDのすばらしい音楽を楽しむことができる。まもなくこの記事を含んだRoad&Trackがスーパーマーケットで売られる時にスキャナーが使われる。

 

 

 

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