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4.4.1 CHAP-紙屑

同じ原材料を用いた加水分解プロセスの比較を行った(LTH)。濃縮した酸(CHAP)を用いた加水分解はCASHより35〜40%収率が増加すると見積もられる。しかし、そのプロセスでは、販売できる団体燃料副産物はできない。これらは、製造前に原材料を乾燥させたり、その後、酸を回収したりするのに使われる。このため、CHAPプロセスはすでに乾燥したセルロースを多量に含む原材料(紙屑)に非常に適している。酵素を用いた加水分解は約30%程度CASHよりエタノールの収率が良いと考えられる。しかし、内部の電気必要性に対し、少ないリグニンのため、多少総合収率は低い。

 

4.4.2 未処理原材料-プロセス燃料

それぞれのケースにおいて、もし工程で使われる燃料(スチームと電気)として、すでに処理されたリグニン燃料の代わりに、直接原材料の一部を使ったら、エネルギーの観点で生産収率はもつと良くなるであろう。

 

4.5 システム内のバイオ燃料

収率は低いように思えるかも知れない。しかし、それは、水素の含有率の高い自動車燃料とするため、炭素が多いバイオベースの原材料を使い、今日の精巧な製造技術を用いた特性である。 しかし、自然界より産出するほとんど処理しなくても使える原油から作る自動車用燃料とこれらの数値(バイオ燃料の低い収率)を比較するのは公正ではない。もし、二酸化炭素を比較の際に考慮したなら、たとえ、バイオマス(及びその生産物)が石油精製においてプロセス燃料の一部に取ってかわった時でさえも、製造プラントの判断基準はバイオペースの原材料の方に直ちに動くであろう。

 

バイオペースプラントを正当化する条件は、システム内でバイオ燃料が使われるということである。そうでなければ、二酸化炭素については何も得られない。要点は、Taschner,Amoco,Volvoなどによってしばしば言われている。またそれは多くの人が指摘してきた、従来のエタノール生産の典型的な要点である。この基本的な事実は、しばしば議論の外になってしまう。しかしながら、この条件無しで石油からの化石燃料と比較すると、二酸化炭素は大量に発生し、トータルの温室効果ガスが多くなってしまう。

 

 

 

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