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なぜバイオ燃料なのか?

 

今日、運輸分野は完全に化石燃料に依存しております。1995年において、全部で約10.5百万立方メートル(ほぼ100TWh)の化石燃料が消費され、そのうちの6百万立方メートルがガソリンで3百万立方メートルが軽油でした。バイオ燃料の利用は非常に限定しています。化石燃料への依存は一連の問題を生み出しています。

 

化石燃料は永久には存続しないでしょう。現在確認されている埋蔵量と消費量では、石油はあと35年から40年ほどで枯渇するでしょう。確かに新しい油田が発見されるでしょうが、同時に世界の化石燃料の消費は増加しています。資源経営の観点からみれば、将来の世代の必要性を考慮することなく、わずか数世代の人類が石油資源のすべてを消費することは正当化できるものではありません。石油はエンジンの中で燃やすことより、もつと意味のある使いみちを必要とされております。

 

温室効果は我々にとつて最大の環境上の脅威のひとつです。化石燃料を燃やすことにより、我々の環境を脅かす二酸化炭素が発生します。ある地域における砂漠化の進行やその他の地域の降雨量の増加といった環境変化が結果として現われています。最悪のケースとして、温室効果は、もしそれがメキシコ湾流の経路に影響を与えるとすれば、皮肉なことに北西ヨーロッパに北極の気候をもたらすことが十分考えられます。その結果は甚大です。温室効果を回避するために、工業国が排出する二酸化炭素の量を、今後50年以内に最低60%削減することが必要です。

 

化石燃料の使用は一酸化炭素、発癌性炭化水素、微粒子および酸性窒素酸化物の排出を通じ、一連の環境上および健康上の問題を引き起こします。石油に過度に依存することは、たとえば中東などの政情の不安定な国々に我々が依存することにもなります。新しい石油ショックのリスクは明らかです。

 

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