発生する同等の量の他の自動車用代替燃料の流出火災より、さらに危険性が高いと予測される。しかしながら、白動車用代替燃料流出火災の規模、形および熱放射効果の予測については、関連する多数の変数があるので、全ての条件のために正当と思われる相対的な評価を行なうことは不可能である。全体(同等の量)ベースで、液化天然ガスあるいはプロパン双方の引火は、放射の強度の観点からみれば、メタノール/ブレンド、およびエタノール/ブレンドのような他の自動車用代替燃料と関連した引火よりさらに大きな数年になるということが単純に言える。
自動車用代替燃料流出火災の潜在的な結果を評価する他の1つの方法は、プール火災から放出された燃焼エネルギーを考察することである。メタン、天然ガス、およびプロパンを含む多くのタイプの炭化水素燃料の火災から放射された燃焼エネルギーの割合は、20%から25%の範囲にあることを示すいくつかの証拠がある。従って、プール火災の全体的な放射の効果の近似値は、熱放射率から推測することができる。
図3-5は、単位面積当たりで消費される液体燃料の質量率および燃料の熱含量に基づく、液体のプール火災に関する相対的な熱放射率を提示している。熱放射率は、ディーゼルが基準化されている。すなわち、ディーゼルのプール火災の熱放射=1.0である。図3-5は同じ規模のプールに関する比較を提供しており、そこでは、提示されたすべての燃料に対し、自動車用代替燃料のタンクローリー(それら全てが約10,000ガロンを運ぶと仮定する)の積み荷が完全に流出し引火した場合の結果が示されている。数字は、プロパン、あるいは液化天然ガスの引火およびプール火災に起因する全体の放射効果が、同等のディーゼルの流出による放射効果よりさらに激しいものであることをはっきりと示している。逆に、エタノール、あるいはメタノール流出火災からの熱放射および全体の放射効果は、ディーゼルの火災による場合より小さい数値(約25%)であろう。
図3-5において示されていない1つの特性は、炎拡散率、すなわち、炎が燃料の液体のプールの表面を拡散する速さである。人がプールから避難可能性な時間を定義するという点で、これは、人の安全性の重要な要因であろう。利用可能な限られたデータに基づけば、メタノールの炎拡散率が約2-4メートル/秒(7-13フィート/秒)であるのに対し、ガソリンの炎拡散率は、4-6メートル/秒(13-12フィート/秒)で最も速い。一方で、ディーゼルのプール火災は、0.02-0.08メートル/秒(0.8-3.2インチ/秒)と、非常にゆっくりと拡散するであろう。これは、ディーゼル燃料が、十分な引火性の蒸気が発生し得る前に、その引火点まで加熱されなければならないためである。
圧縮天然ガスの熱放射率の特性を示すことは簡単ではない。メタンの最も低い火炎速度(層流燃焼速度)は、約0.4メートル/秒(1.3フィート/秒)である。引火性ガスの混合気が風によって動きが激しくなったとき、火炎の速度は劇的に増加する。このため多くの場合、炎は人が避難するのがほとんど不可能な速さで広がっていくだろう。約10〜15メートル/秒(33〜50フィート/秒)の最大の火炎速度が測定された圧縮天然ガスの火災に関するひとつの大きな問題は、その消火を試みる前に、圧縮天然ガスの供給を遮断することが極めて重要であるということである。そうしないと、引火性ガスの蓄積および再引火のリスクがある。
事業所の施設において流出、引火が発生している時の結果は、貯蔵された燃料の量に左右される。すでにこのテキストで示されたように、車両に関し、同じエネルギーで同じ走行距離を走るのに相当する量を使うとした場合、ディーゼルと比較して、全ての液体自動車用代替燃料は、プロパンで1.9倍、メタノールで2.7倍という範囲でより多くの量を貯蔵する必要がある。しかしながら、これらの増加した量および増加した火災の危険性の間