(e)試料NO.5 SB5+ステアリン酸 (表6-5)
外観、比重、メタノール純度、遊離酸並びにフィルタビリティについて
は特に問題はない。蒸発残分は、特に換気付き栓のサンプルで増加が見られたが数値は非常に小さく、フィルタビリティも検出限界以下であること
から、実質的には問題ないと考えられる。水分、金属分析の結果は試料NO.1と同様な傾向を示している。
以上の結果をまとめると、着色剤の劣化、変質(試験片との反応も含む)による蒸発残分の増加、フィルタビリティの悪化は全てのサンプルで問題になるレベルではなかった。Feは1ppm以下であり、蒸発残分、フィルタビリティに影響していないことから問題ないと推定される。吸光度の変化が大きかったAY73の分析結果も、燃料の品質分析上は特に異常は認められなかった。なお、メタノール原液にもFeは検出されているので(低公害・代替燃料自動車の普及促進に係る調査研究報告書 平成8年3月(財)運輸経済研究センター中間報告書?U36ページ)、試験終了後のサンプルよりFeが検出されたのは使用したメタノールそのものの影響であり、着色剤の影響ではないと推定される。