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?リプレース(代替建造)の支援制度の活用

旅客航路事業者アンケート調査でも、「省エネ船・近代化船等への代替」が今後の方策としての上位にあげられている。

「省エネ船・近代化船等の代替」はリプレース時期の到来ということから当然考えなければならないが、これを契機により利用者のニーズにフィットし、より高い水準のサービスを提供することにより需要の開拓に繋がるものである。

しかし、リプレースには多額の借入金を必要とし、新船導入により経営が圧迫されることからなかなか具体化していない。今後、リプレースに際しては、現在用意されている資金的な支援制度(運輸施設整備事業団)を十二分に活用していくことが考えられる。

 

?サービスのレベルアップ

需要の拡大を図るためには、ハード面、ソフト面の両方向からサービスのレベルアップを図っていくことが重要である。このためには、利用者のニーズを把握し、それへの対応が求められる。

旅客航路利用者アンケート調査によると「発着時間」「便数」に関する要望が多い。このため、旅客のニーズに対応したダイヤや他の交通機関との連携の時間に合わせたダイヤの編成等をきめ細かく行っていくことは必要である。

その他、時間短縮を図るための高速船の導入等も考えられる。

ただ、既に高速船を導入した航路でも寄港地が多いため、そのメリットが発揮できないケースもみられるが、これについては、寄港地の集約化も検討課題となろう。

 

(3) 適正な競合環境の確保

海上タクシーについては、種々議論があるが、一つの見方としては、それなりにニーズがあったため出現し存続しているものである。

唯、定期航路事業者も海上タクシーも旅客を輸送するという交通機関であるが、現状では定期航路事業者には様々な法的規制があり、経営的に見ると海上タクシーに比べコスト高にならざるを得ない。また、ダイヤや航路設定についても柔軟性に欠けている面があることも否定できない。

このように現在の法の枠内では、定期航路事業者と海上タクシーの間には公平な条件での競争が行えない事情にあることから、今後はこれらの改善を図り、公平な条件下で適正な競争が図られるべきであると考える。

 

 

 

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