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4. 信号現示による方法

 

信号現示により最高速度が定められていることを利用して、警報時間の均一化を図る方法である。警報開始点から踏切までの間の走行が、YGやY運転となった場合には、踏切に到達するまでの時間がG運転よりも長くなるので、その差の時間だけ、警報開始時期や開始位置を遅らせるものである。この方法は、ラッシュ時間帯などで上記のような走行をしている場合には、効果があるが、上位現示への現示アップを最悪条件で予測するため、警報時間が長くなってしまう場合もある。

 

5. 前方列車の走行状態を予測する方法(文献 1)

 

踏切警報開始点は、列車が踏切からLm離れた地点を(列車位置)V0km/hの速度で(列車速度)走行し、その後、許容される最大速度Vmax km/hで(信号現示がこの許容最大速度を規定している)走行した時に所定の時間となるようにして決定される。

現在では、これらの3つの情報を考慮した方式が採用されているが、信号現示の情報は自列車の前方を走行している列車により変化するわけであり、きめ細かい踏切適正化制御をするためには、前方列車の走行を予測する必要がある。

前方列車の走行を予測して自列車に対する、信号現示を予測し、それに自列車の列車位置、列車速度を考慮して、踏切適正化制御を行う方法である。

この開発では、前方列車までの予測も研究されている。

しかし、連続して列車速度を計る必要があり、経済的な問題が残っている。

 

6. 駅直近の踏切道の短縮化方法(文献 2)

 

法を改正することにより、踏切遮断後、列車又は車両の先頭が踏切に到達するまでの時間「20秒(最小15秒)」を短縮する方法である。

1) 改正のための前提条件

?@停車列車が出発する前方の踏切で、しゃ断桿の降下が完了していて、駅出発時に踏切道内の支障物の有無が確認できる踏切であること。

?A出発位置から見通せる約50m以内にある踏切に限定する。

?B踏切障害物検知装置を設備した踏切であること。

2) 検討結果での現状の問題点

検討結果による現状の問題点は、次のとおりである。

?@・設備面で安全性を確保する技術が現在は無い。

・踏切遮断後の踏切道内の支障物をパーフェクトに検知する設備がない。

?A・乗務員の確認義務だけでは、安全性が確保できない。

・乗務員の確認義務の負担が増える。

・気象条件等によって、確認が困難になる恐れがある。

3) 検討結果による改正の方針

駅直近の踏切道について遮断時分を短縮するために、調査・検討を重ねた結果、2)で述べた様な問題点があり、これらを解決することが現状では難しいという理由で見送っている。

 

[文献]

 

1 (財)日本船舶振興会平成2年度補助事業

踏切適正化システムの開発事業研究報告書

平成3年3月 (社)日本鉄道電気技術協会

2 平成6年度運輸省委託事業

鉄道技術基準の見直しに関する調査検討(電気関係)結果報告書

踏切遮断時分の短縮化(駅直近の踏切道)

平成7年3月 (社)日本鉄道電気技術協会

 

 

 

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