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て、4.4%)。75歳以上の高齢者の多くは、1965年の独立以前にシンガポールにやってきた移住者で、家族がいないままの者が多い。共同体開発相の下の公的援助計画は、これらの貧しい高齢者への公的援助プログラムを提供している。公的援助計画は1951年、恵まれない者に対して月々の手当を提供するために導入された(対象者は身体障害者および貧困者と定義され、その多くが高齢者で雇用に向かない)。この計画は1905年の貧困者法における王立委員会(ロンドン)に影響されていて、最小限の必要性を満たすためだけのものとなっている。

 

この計画が、福祉国家的な社会条件を向上させるのではなく、社会的に恵まれない者の社会的な苦痛を軽減するためのプログラムとして定義されているからである。1991年2月まで、1人世帯への公的援助は、1月当たり120Sドルだった。これは1990年の一人当たりのGNP22,645Sドルの6.4%に過ぎない。それ以来、この割合は徐々に増えて、現在、1人世帯への180Sドルから、最高額の5人以上の世帯への535Sドルとなっている。これらは絶対値では高くなっているが、それでも1人当たりのGNPに対しては低い。これらの高齢受給者の多くはまた、ボランティア組織から、日常生活の資金として、現金または品物による定期的または特別の支援を受けている。公的援助の受給者とその扶養家族はまた、政府の外来の診療所、政府の病院、再構成された病院で無料の医療サービスを受けている。

 

一般的に、現在の高齢者の集団は、主として、老後を子供からの支援に依存している。CPF制度では全員は自分たちの退職後の必要のために貯蓄し、支払うことを認めているが、CPFの貯蓄の少ない多くの高齢者は、特に、長期的医療で発生する支出に関しては、まだ、子供に頼る必要がある。メディセーブ、メディシールド、メディファンドは、主として、深刻な病院治療のために設けられているので、子供達は、自分たちのメディセーブを使い、自分たちの積立金から支払わなければならないことによる負担を感じている。高齢者から次の世代への、この様な医療費の世代間の移転については懸念の声が挙がっており、保健相が、高齢者の病気の長期的医療の資金調達の新しい方法を見つける必要を提案することつながった(ストレイト・タイムズ、1997年11月22日)。

現在、全国貿易組合会議では、退職者が自宅を抵当に入れて、月々

 

 

 

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