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序 文

 

国連人口白書等によれば、高齢人口の増加は今世界的に進行しており、少子化による人口高齢化も、これまでの先進諸国だけではなく、経済的発展をみせているアジアNIEs、中国、タイ等でかなりのスピードで進行しております。

既に、出生率、死亡率がともに低下し、高齢化社会の進展が伺える中国、韓国、台湾等東アジア地域においては、人口高齢化や高齢化社会に関する研究も盛んであり、高齢者問題等に対する社会的対策も講じられつつあります。

東アジア地域におけるこのような状況から、エイジング綜合研究センターは東アジアの各国各地の専門家との交流そして調査研究を行っています。とくに1994年からは、東アジアの人口学、社会学分野で国際的にも著名な専門家による「東アジア地域の高齢化研究委員会」を構成し、委員会メンバーを軸に各国各地域の関係専門家を交えて調査研究を行っています。

こうした調査研究によって、人口高齢化や高齢者事情に関する東アジアの特徴、共通性、などが明らかにされてきましたが、その後の高齢化の進展に伴い、とくに経済的発展がめざましい都市の少子化高齢化に関する研究が、中国並びに日本において関心が高いことから、1997年より、「都市の少子高齢化と高齢化社会対策」をテーマに、東アジアそしてシンガポール等東南アジア地域も含めて調査研究活動を進めることとなりました。

1997年はその嚆矢として、北京市、杭州市、上海市において、上記委員会メンバー参加による会議、会合をもち、とくに上海市では、香港、シンガポール、タイ(バンコク)等の関係専門家が多数参加し会議を催しております。

アジア地域における都市の少子高齢化と高齢化社会対策の調査研究において、初年度ここに報告書として上梓するのは、「上海市とシンガポールの高齢化とその対応」ですが、その内容や実態については上海、シンガポールの専門家の協力によるところであり、上記委員会のメンバーが資料補充等も行いとりまとめたものであります。

 

 

 

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