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定される(年に2回ないし数回)。

 

● 家族給付の財源

家族給付の運営は、1945年から家族手当全国金庫(CNAF)が一元的に制度を管理している。家族手当金庫の財源は事業主と自営業者からの拠出によって賄われており、被用者負担の拠出はない。事業主の拠出額は雇用する者の給与に基づいて定められ、自営業者の拠出額は所得税の算定に用いられる純職業所得に基づいて定められる。1997年現在では給与額の5.4%である。拠出金は上限付きで徴収されていたが、1989年に上限を撤廃することが定められた。しかし実際には1990年から被用者の給与の上限だけが撤廃され、自営業者に対する上限撤回は現在に至るまでなされていない。なお低額給与(全産業スライド制最低賃金の110-120%)に対する家族給付保険料は削除ないし減率される。

拠出金は、社会保障・家族手当負担金徴収組合(URSSAF)が徴収した後に社会保障中央事務局(ACOSS)に振り込まれ、最後に家族手当金庫(CAF)が給付として支給する。

 

(2) おもな家族給付の種類

 

現在存在する家族給付は通常21種類といわれるが、家族に関係した様々な給付のうち、どれを家族給付と呼ぶかは厳格に定まっているわけではない。一般的に家族給付と呼ばれるものの中には、社会保障法典に規定されていない給付もある。家族手当金庫が支給する給付には、財源が国家であるために家族給付ではなく社会扶助とされているものもあるが、家族手当金庫が支給していれば家族給付として扱われることが多い。また家族手当金庫が支給していなくても、家族給付といわれる給付もある。

ここでは主な家族給付を目的別に分類して、次頁の【図表5-2】にある(a)から(q)までの合計17種類の給付内容を紹介する。なお特にことわりがない給付の財源は家族手当全国金庫である。

 

? 子どもの養育のための給付

 

(a) 家族手当(allocations familiales)と割増手当

「扶養する子」の年齢制限を満たす子どもが2人以上いる世帯に、所得などの特別な条件なしに支給される。支給額は子どもの数によって異なる。

 

 

 

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