4. 総合的な家族政策に向けて
1981年に社会党政権を成立したミッテラン大統領(1981-95年)は、消費刺激による経済活性化を図る政策の中で家族給付額を引き上げたが、経済状況悪化により長続きはしなかった。1984年、孤児手当は家族扶養手当(allocation de soutien familial)に置き換えられ、翌年から家族給付制度の全面改革が始まる。改革の目的は、?不平等の是正と子どもを扶養することによる負担の軽減、?家族手当制度を簡略にし効果的にすることであった。
○ 1985年1月法
・乳幼児手当(allocation au jeune enfant):出産手当、新生児手当、家族補足手当を合体した手当である。3歳未満の子どもが1人でもいる家庭を対象として、所得制限なしで妊娠5ヵ月目から生後3ヵ月まで、その後3歳までは所得制限付きで支給する。すなわち第3子に対する特権は削除された。1987年からは「乳幼児手当(allocation pour jeune enfant)」の名称で支給されている。