は じ め に
我が国の人口高齢化が本格化するなかで、都市部の急速な高齢化が注目されています。当エイジング総合研究センターは、都市の高齢化やその社会変化について、高齢人口の居住移動、市民の生活行動や生活環境の変化(指標)等をテーマとする調査研究を行っております。とくに平成8年度からは、21世紀初頭の高齢社会を展望した都市高齢化の研究を行うため、委員会体制(下河辺淳委員長)を設け、都市の人口、世帯の将来推計、家計消費の動向(推計)、そして市民の生活行動、生活環境の変化、等について調査研究し、現在形づくられている都市の基本的構造の高齢化による社会変化や影響について考察する研究を開始しております。
本年度ここにまとめた「21世紀高齢社会における横浜市民の生活環境に関する調査研究」(報告書)は、前年度の北九州中、仙台市に次ぐ調査研究で、横浜市の最近の状況を踏まえて、上述のような諸推計を行うとともに、市民生活に関する社会的変化について考察した調査研究を西暦2010年を目安にとりまとめたものです。また、この報告書(第4章)では、今後に求められる福祉社会対応の観点からのとりまとめも行っております。よろしくご高覧いただければ幸いです。
なお、この調査研究にあたっては、前年度とほぼ同様に丸尾直美・慶應義塾大学教授を研究委員長とする研究委員会(別記)が、横浜市の企画局を中心とする関係部局との協力で研究作業を行っております。ご尽力下された丸尾直美教授をはじめ関係各位に感謝申し上げるものです。
最後になりましたが、本調査研究において当センターが客観的研究作業を行うことにご理解(事業補助)を下された日本財団の御高配に厚く御礼申し上げる次第です。
1998年1月
社団法人 エイジング総合研究センター
理事長 高 木 文 雄