ご あ い さ つ
高齢者の居住移動(高齢人口移動)が大都市圏で増加傾向にあることに着目し、エイジング総合研究センターは、その実態調査研究を行ってきております。当センターがこれまでに行った調査研究は、今回の札幌市を含めて7政令都市と東京都(3区、2市)におけるものですが、高齢人口移動は年々その数、率とも高まっているようです。また、最近になって、大都市圏の自治体では転入超の高齢人口に戸惑う状況もあると仄聞するように、高齢人口移動に社会的関心が寄せられ、当センターの調査研究結果が引用されることも増えております。しかし、この調査研究においては、都市ごとの特性が大きく影響しているため、移動理由となる「健康と生活の維持」(主目的)の関係を除いては共通した事象が少なく、全都市について共通した事項のとりまとめが一概にできかねる状況もあるようです。
この調査研究については、当センターの役員(専門家)を含め、大友篤(日本女子大学人間社会学部教授)、嵯峨座晴夫(早稲田大学人間科学部教授)、清水浩昭(日本大学文理学部教授)等人口学、社会学(家族社会学、等)の専門権威を擁した委員会をもって当たっております。そして、各都市の協力を得て調査を行い、その集計、研究、分析を当センターが行っております。ここに提出する「札幌市高齢移動者実態調査研究」報告書も上記に同じ体制と方式でとり行い、研究結果をとりまとめております。
関係各位のご尽力に対し謝意を表するものです。
最後になりましたが、この「高齢人口移動に関する調査研究」事業に対し、当初よりご理解ある研究支援(補助)を下されている日本財団(日本船舶振興会)に心より感謝申し上げる次第です。
平成10年1月
社団法人エイジング総合研究センター
理事長 高 木 文 雄