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班長団員は平成9年度の学年で、小学4年生から中学3年まで、6学年にわたります。各組は3班編成で、出身地も年齢もバラバラな団員、13〜15人で構成されています。各班にはそれぞれ班長さんがおり、各班の最年長者が自動的に班長に就任。しかも事前に本人に知らされるわけではなく、名簿が送られてきて初めて分かります。

班長は翌日のスケジュールの変更や、リーダーからの伝達事項を団員に伝えるため、毎晩9時にはじまる班長会議に出席しなければなりません。他の団員が部屋でくつろいでいる中を出てこなくてはいけないのですから、班長さんはつらいのです。

 

団体行動の基本は時間厳守。この「少年の船」では特に厳しく、すべて5分前に集合するように心掛けさせ、時間厳守を意識させています。ですから6時50分に始まる朝のつどいの場合、6時45分にはデッキに集合できるように行動します。どんな場合でもひとりかけたら次には進めません。5分前の集合時間にそろわないと、その班の人は全員立ったまま遅れた人を待つことになります。団体行動では「人に迷惑をかけない」ことが第一。最終日にはどの班も、それぞれ声をかけ合い全員で朝のつどいに向かう姿が見られました。

 

点呼に始まり、点呼に終わる、「少年の船」朝のつどい、消灯前はもちろんのこと、行動後は必ず行われます。人員の確認をするとともに、団員の健康状態もチェックします。消灯前の点呼は各班員が班長の部屋の前に集まり、点呼。それを班長がリーダーに報告します。応援合戦で点呼のパロディが多かったのは、それだけ印象が強かったってこと?!

  

 

航海中の朝のつどいでは、船が現在どのあたりにいるかを、毎日教えてくれます。例えば3月27日の場合だったら「和歌山の潮岬が左手に見えます。東京から256マイル今日の温度は18度、南南西の風、風速11メートル」というふうになります。

 

明石海峡をAグループが3月27日にくぐった時には、まだ開門されていなかった明石海峡大橋。4月5日に開通し、4月6日朝6時45分、開通したばかりの明石海峡大橋を一日見るため、いつもより10分早く朝のつどいが行われました。
航海中、レインボーブリッジをはじめ、瀬戸大橋などたくさんの橋を通過しました。Bグループの洋上大運動会の最中には関門橋を通過、運動会を一時中断し、全員で見学しました。

 

毎回数名、ヒドイ時には数十名がなるという船酔いですが、今回はほとんどと言っていいくらいいませんでした。それというのも、乗組員や事務局の方たちが日をそろえて「こんなに揺れない、穏やかな航海もめずらしい」と言うくらい好天に恵まれたおかげ。
それでもBグループが帰途に着く時には数名具合が悪くなる人が出ました。そんな団員も研修、洋上大運動会と忙しく過ごすうちに、すっかり元気に。やっぱり船酔いはナレと、気持ちの問題?!

 

何事も自分のことは自分でしなければならないこの航海では、もちろん洗濯も自分でやります。ところがこの洗濯場には忘れ物が多数。毎晩ロビーでは忘れ物の展示会が開かれましたが、名前が書いてあってもなかなか取りにきません。パンツの忘れ物も多く、ちょっと取りに行きづらいかも・・・。
洗濯と同様、もちろん掃除も毎日やります。毎晩8時45分から5分間は、全員で部屋の掃除とゴミの片付けをします。家に帰ってからも続けてるかな〜?

 

Aは3月27日、Bは4月3日の夕食で、テーブルマナーの実習がありました。稲泉マネージャーの指導で、ナイフ・フォークの使い方、スープの飲み方などを教わります。この日のメニューは、コンソメロワイアル、Aグループ=白身魚と車海老のグリル、Bグループ=サーモンギャランティーヌ。メインはサーロイン・ビーフ・ステーキ。それに特製パンとバター、サラダ、デザートはフルーツとケーキに紅茶のフルコース。みんな少し緊張した顔。

  

 

この航海中に誕生日を迎えた人は朝のつどいで壇上に呼ばれ、団長から記念品が贈呈されます。 一生に一度の素晴しい経験をしたのは、Aグループ、上野清夏さん、船橋京くん、堀奈々頼さん、Bグループ、山下蓋さん、松島優くん、島田幹さん、損本望さん、中谷あやさん、桜田真由さん、段博子さんの10名です。サヨナラパーティーの時には船長さんからも記念品と、誕生日ケーキのプレゼントがあり、全員でロウソクをふき消しました。

 

 

 

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