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私たちは海と共に生きている

新さくら丸船長 渡辺輝男

私が船に乗り始めて、今年で36年になります。なぜ船に乗ったかというと、中学校の時に修学旅行で九州に行った時、別府の温泉地獄とか阿蘇山の火口などを目の当たりにして感激し、日本でもこれだけすばらしいところがあるのだから、世界中を回ったらどんなに素晴しいだろう、学校を卒業したら世界中の国々を訪問してみたい、という夢を持ったわけです。

みなさんは今、夢をお持ちですか?できれば大きな夢を持って、それを実現させるための努力をしていったらいいと思います。
私は世界中を回りたいという夢を持って、それを実現させるために船に乗りました。外国航路の船に乗れば、働きながら世界を回れるので、これほど効率のいいことはないとその当時考えたわけです。
一番最初に行った外国は、南太平洋のタヒチ島というところです。その当時からタヒチ島というのはこの世に残された最後の楽園というようなイメージがありましたが、現在もあまり変ってません。
それから船の旅が始まったわけですが、今から何年か前に南アフリカのタンザニア、ダリザバールというところに行ったんですが、そこのポルトガリー渓谷という滝は現在人類の最も古い化石が発見されたところなんです。大体45億年前の原始人の化石が見つかったんですが、その近くのキリマンジャロという山のふもとをジープで上がっていきながら、ここが人類のふるさとなんだなあ」と、 一度どこかで見たような気がしました、なつかしいようなね。これは45億午前の原始人の感情なのかと思いました。
地球が誕生した時、生命というのはなかったんですね。
太陽は我々の生活にとって非常に重要なんですが、反面紫外線のような有害なものもあります。でも海の中というのは太陽の光を通しにくく、それで最初の生命が生れたんです。それが太陽の光を吸い、酸素をまき散らし、酸素が太陽の光と結合してオゾンができます。そのオゾン層が有害な光りを地球に届かないようにしてくれる。オゾンができて初めて、有害なものが届かなくなり、人間や動植物が生きていくことができるんです。
しかしフロンガスという科学物質は、太陽の光と結合しますとオゾンを壊してしまいます。スプレーなどでも90%がフロンガスです。
そういうことを念頭におきながら、スプレーやクーラーを使うことがみなさんの時代には必要ですね。
また海は現在どんどん汚れています。みなさんに、海や川、湖などには絶対にゴミを捨てないという習慣をつけてもらえればなぁと思います。

みなさんにお願いしたいのは、私たち人間は海と共に生きて行かなければならないのですから、海、それから自然を大切に、自分たちで環境を守っていきましょう。

 

 

 

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