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折れ、トルストシェイン市長を解任し、クライ第一副知事(工業担当)に任命した。誰も信じなかった復活を果たした事実自体がチェレプコーアのカリスマを高めた。こうして、チェレプコーフの人格と行政能力に問題があることは彼の支持者さえ重々知りながら、知名度においてずつと劣るに違いないほかの反ナズドラチェンコ系候補を1998年3月に予定されたウラジオストク市長選挙に向けて立てることは、「許し難い贅沢」である(つまり、当面はチェレプコーフの下に結集するしかない)と言われるような状況が生まれたのである。ただし、1997年12月の時点で、チェレプコーフは市長選出馬の意志をはっきりと表明したわけではない。

 

4 クライ政治とウラジオストク市政の現状に関連して

 

(1) ナズドラチェンコの広報マシーン

 

クライ権力を掌握して以降のナズドラチェンコの「容易ならざる政治的運命」は、沿海地方行政府の宣伝機構を異常に膨張させた。地元マスコミは、ナズドラチェンコの任期を通じて概ね彼に好意的であったが、ナズドラチェンコとチュバイスの関係が緊張するや否や、『コムソモリスカヤ・プラウダ』、『イズヴェスチヤ』、NTV、(ベレゾアスキーがチュバィスと喧嘩する以前の)ORTなどの中央マスコミが、沿海地方に向けて「反腐敗」「反独裁者」キャンペーンを始めたのである。これに対抗して、ナズドラチェンコは地元マスコミをいっそう厳しい統制下に置いた。

通常のリージョン行政府では、知事のプレス・セクレタリー機構は、運転手など含めてせいぜい4、5人の職員を抱えているに過ぎないが、沿海地方のそれは20名の職員から成っている。ここにおいてはプレス・セクレタリー機構は報道情報部(Departament pressy i informatsii)に拡大改編された。「デパルターメント」は、下位の部局である「オッヂェル(Otdel)」とは違って、法人として銀行口座も持つことができる。この報道情報部は、?随時情報課、?市・地区対策課、?マスコミモニター課の3課に分かれる。?は、ほぼ毎日、ビュレチン(広報)を発行している。このビュレチンはインターネット化されており、たとえば日本のNHKの現地支局などが購入している。また、この課に付設されているビデオ・センターは行政府の会議、記者会見などを録画するほか、行政府の政策や、クライ情勢についての行政府の公式見解を説明するところの「分析番組」を定期的に準備・放映している。?は、クライに31存在する市・地区レベルの新聞(これは市・地区行政府の援助を受ける新聞の数、このほか六つの市・地区レベルの独立新聞がある)を援助している。この課がもっか力を入れているのは、市・地区レベルのテレビ・ラジオ会社網の拡大である。?は、クライ内でなされた報道を網羅的に収集・整

 

 

 

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