序 調査研究の目的と構成
首都機能移転については平成4年12月に「国会等の移転に関する法律」が定められ、同法に基づいて設置された国会等移転調査会による検討の結果が平成7年12月にまとめられた。平成8年6月には、国会等移転審議会の設置等を定めた同法を改正する法律が成立し、同改正法に基づき同年12月に国会等移転審議会が設置され、国会等の移転先の候補地の選定等について審議が行われ平成10年1月に3地域11府県の移転候補地が決定された。このように、首都機能移転をめぐる議論は本格化し、より具体的なものになりつつある。
一方、首都機能移転に伴う移転先の地方公共団体への影響や係わり方等については必ずしも十分に論じられてきたとは言い難いところである。このため、本委員会では、国会等移転調査会報告において明らかとされている移転先の決定プロセス、新首都に必要とされる行政需要等を踏まえ、首都機能移転への地方公共団体の係わり方や首都機能が地方行財政制度に及ぼす影響等について中長期的な観点に立ち首都機能移転の計画、建設、管理の3段階に分けてそれぞれの段階についての論点を整理し、現段階において可能な範囲において検討を行った。