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第3章 各論:福祉行政を例として

 

1 地域福祉体系のトータルマネージメント-介護保険制度案について-

(1)介護保険の創設のねらい

介護保険制度は、平成6年に厚生省内に介護対策本部ができてから平成8年度に法案を提出するまで3年ほどかけて細かい部分まで議論を行ってきたものである。

この介護保険を創設したねらいは4つある。

まず1つめは、老後の最大の不安要因である介護を社会全体で支える仕組みをつくるということである。平成5年度に200万人(寝たきりや痴呆:100万人、虚弱:100万人)であった要介護者数が平成37年度には500万人を超えると予想されている中、種々のアンケートにおいて、老後の不安要因は何かという問いに対し、自分自身が寝たきりまたは痴呆になったとき、あるいは配偶者がそのような状態になったときの介護であるという結果が出ている。これは、介護について昔と今とで変化が生じてきているためではないかと思われる。

昔と今との違いとしてあげられるのは、まず、介護の期間が非常に長くなってきている点である。高齢者が寝たきりになった場合、以前は通常で1か月、長くても

 

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