2 事業メニューの類型化
(1)類型化
ここでは、前項で整理したさまざまな事業・活動を特性や主体、あるいは相互の関係などによって類型化することにより、協働のあり方をいくつかのパターンに整理することを意図している。
本来、まちづくりの「主体」というのは、住民の権利として、あるいは住民本位のまちづくりという点においていえることだが、ここでの主体という意味は、そのような理念的な意味合いではなく、それを踏まえて事業・活動を積極的、主導的に取り組むことをいう。
横軸に事業の広がり、縦軸に事業の主導的な活動主体をとったマトリクス上に事業・活動をポジショニングしたのが図表4-3である。
事業の広がり(横軸)でみると、全町にかかわる公共施設群が右寄りに位置し、全町的なかかわりを持ちながらもその場所が限定されるような事業が左寄りに位置する。事業の主導的な活動主体(縦軸)でみると、行政の主導性が強く求められるものが上に位置し、住民主導の活動が下に位置する。
そうすると4つの象限の内、右上の群には主に公共事業による公共施設が集まるが、その背後には前述のように計画づくりや運営の段階での住民の参加が求められてくる。左上には場所を特定した環境整備などの公共事業群が位置し、それらと関係した活動群が左下に位置する。右下には全町的なかかわりのある、祭りなどさまざまなソフトな活動の群が位置することとなる。
それらをその事業の主導や性格、相互のかかわり方からみて、?住民や企業が主導的に活動し、それを行政が支援する形態を「支援系」とする。反対に、?行政がその事業の推進役にならざるを得ない、公共事業に計画段階から住民や企業が参加する形態を「プラン系」とする。その中間型として、?公共的な性格を持ちながらも、計画の事業化段階で住民や企業のかかわりが強く求められる形態を「事業系」とする。その結果、プラン系には公共的なハード事業が多くみられ、支援系には、ソフト事業が多い。事業系は環境整備、保全などの事業やコミュニティ施設など事業実施段階での住民参加が求められる地域活動と一体化した事業がみられる。