めの制度づくりや資金の提供など、まちづくりのシステムを確固たるものにすべき重要な役割を果たさなければならない。さらには、行政職員はもとより議員の積極的なまちづくり活動への参加を促進することが重要である。
3 事業の優先順位の考え方
(1)優先順位の考え方
まちづくりのさまざまな事業は、もちろんその主体や手法も多様であるが、そこではまず手がつけやすいところから実行することが求められる。それは、まちづくり活動の経験の少ない本町においては、そのトレーニングを重ねる意味合いもある。そこでは合意が得られやすく、比較的事業コストの負担も軽く事業の成果があがりやすい支援系の事業が最適と考えられる。一方、プラン系・事業系の事業においては、公共事業中心となることもあり、その優先順位を決めるについては、合理性を持った合意が必要となる。その要因を以下にあげる。
? 住民ニーズ
さまざまな手段で表明された住民ニーズに則して、そのニーズの高まりや事業環境の醸成度などにより判断する。場合によっては、町の政策的な要因との複合的な判断が求められることもある。
? 政策
住民の支持によって明確化された政策を遂行することが必要とされた時には、優先度を上げる必要がある。
? 特定要因
外的、内的な特定要因により事業効果や関連性を考慮してそれに関連した事業を優先することも必要である。
上記のような基本的な考え方に基づいて事業の優先順位を考える必要がある。前章で述べたように、まずすでに活動の成果がみられ全町的な広がりを持つモデルプロジェクトと少し小さな地域と連携した4つのリーディングプロジェクトから始めるべきだろう。さらに、特定要因としての産業循環道路の開通は、本町の南北の骨格として、町の将来像を描くうえにも大きな要素になる。その沿道には、町の中心地区や多くの利用可能な遊休地があり、それらの総合的な利用計画を策定し、中、長期的な視野で関連事業の推進にあたる必要がある。その中でもとくに新日本編物跡地やJR宮田駅跡地を含む町中心部の将来構想は、本町の顔としてまた、住民の生活や活動拠点としての対応が急がれる。とくに、そこではまちづくりの視野に立った「交流センター」的な機能が求められるだろう。