2. 香住町における若者定住に向けた課題
(1) 香住町の若者定住に向けた標題の捉え方
本町は、人口は減少傾向にあるものの過疎地域ではなく、また、但馬地域の中にあっては、年少人口比率(平成7年国勢調査19.1%)は最も高く、老年人口比率(19.5%)も豊岡市に次いで低いなど、若者定住対策に緊急性があるわけではない。むしろ、今後ますます進むであろう本町の若者の流出(特に高校新卒者の流出)と、一方で都市部で高まっているIターン志向に対応し、「若者が住みたい(住み続けたい)」と思うまちづくりに中長期的に取り組むスタンスが必要である。そのことを前提に課題の捉え方としては次の3点に留意するものとする。
● 若者定住の一般的な課題
● 広域や本町の既定関連計画と連動させるべき課題
● 本町の地域特性(地域の実情、個性・魅力の活用など)に配慮すべき課題
また、「職」、「住」、「遊.交流」、「生活利便」機能個別の課題にとどまらず、機能横断的な課題にも留意するものとする。
(2) 香住町における若者定住の課題
本町の若者定住全体を通してみたとき、大きな課題としては次の5点に集約して捉えることができる。
○ 若者に「住み続けたい」、「住んでみたい」と思わせる地域の魅力(誇り、楽しさ、便利さ、生きがいなど)づくり
○ 多様な若者(町内在住者、町外在住者、学生、社会人、独身者、既婚者など)のニーズへの対応
○ 「Iターン者」や「ニュービジネス」、「新規イベント」など新たなヒト・コト・モノの受け入れや創造
○ 若者が定住するための動機となるような魅力的な情報や必要情報(雇用、住宅など)の収集・発信
○ 但馬地域各市町との連携と役割分担
また、機能別には特に次の点が課題として重要である。
《「職」の課題》
● 既存の職種の高度化や若者ニーズに対応した新規職種の創造・導入による多様な職の確保
《「住」の課題》
● 多様なライフスタィルの若者に対応した住宅・宅地の供給
《「遊・交流」の課題》
● 若者が日常的に楽しめ、また、地域アイデンティティの醸成につながる娯楽・交流の場・プログラムづくり
《「生活利便」の課題》
● 買物、交通、教育、医療・福祉と、生活情報の提供など日常的な利便性の向上
以上のことから、「職」、「住」、「遊・交流」、「生活利便」の機能別に若者定住の課題の課題を抽出すると、次のようにまとめられる。