また、学校教育、社会教育双方の立場から次世代の郷土に対する理解や愛着を深めるシステムも弱く、例えば町外から自然学校で訪れる生徒には焼きちくわ、みりん干しなどの水産加工実習や地曳き網などのプログラムが提供されているが、地元の小学生は同様の機会に恵まれないといったことがある。
(4) 娯楽
アンケート調査結果をみると、本町の若者の主たる遊びは、「ゲーム、テレビゲーム」、「友達との雑談」、「海水浴、水泳」、「釣り」、「カラオケ」、「ショッピング」、「ドライブ」で、よく遊びにいく所は、豊岡市と鳥取市である。若者でも高校生では町内を遊び場とする人が2割程度みられるが、社会人になって車の免許を取得すると町内離れが進むのが実態である。
町内には「モノラル」(ライブスペース・アンド・バー)や「麻布十番」(カラオケボックス)など個性的でシティセンスのある店もあるが、商業・娯楽施設全般に対する不満度は高く、「コンビニエンスストア」や「ゲームセンター」などを望む声は多い。また、店舗に限らず屋外の溜まり場として「公園」や「商店街のポケットパーク」へのニーズも高い。
すなわち、昼と夜、屋内と屋外といった視点から若者の溜まり場となる施設整備が求められている。
(5) 医療・福祉
医療機関は、公立香住総合病院と町立佐津診療所があり、公立香住総合病院には鳥取大学から医師が派遣されている。
福祉施設としては地域福祉センターの他、託児施設としては、町立保育所が1ヶ所、社会福祉法人の保育園が2ヶ所ある。
アンケート結果をみると、若者ニーズとしては質の高い医療を求める声が多く(地元若手グループ、若者Uターン者各4割、高校生3割)、福祉面では、福祉施設の少なさや高齢者福祉施策の不十分さを指摘する声がある。また、地元若手グループでは、福祉関連ボランティアに取り組む意向のある人が3割程みられ、そのような意向を活動に結びつけられるようなシステムづくりが必要とされている。