4. 芸術や文化
本地域には数々の興味深い伝統工芸や伝説があり、また陶器の産地である笠間市に隣接することから、陶芸家の定着が進みつつある地域としても特徴づけられる。
陶芸家は各町村におり、それぞれ独特な作風をもっている。特に御前山村では陶芸家の集積が多い。陶芸体験に関しては、個人の工房の隅に小さな体験コーナーを設けるといった形では存在するが、体験に関しての積極的な受け入れ体制をもつ工房はない。全国的にもレクリエーションとしての陶芸へのニーズの高まりは大きく、城北地域でも今後期待できるレクリエーション資源である。ただ現時点では、陶芸家が地域に新たに入ってくるための情報が少なく、需要があっても阻害されている面もあり、受け入れる体制づくりに問題もある。
伝統工芸では、桂村の雛人形、粟野春慶塗、七会村の手打ち刃物などがあり、価値の高い工芸品が産出されている。しかしそれぞれ職人は少なく後継者も不足がちで、公開や展示、体験を含めたレクリエーションの一環として活用することには支障がある。そのほかの工芸品も含め、地域らしさを保有する資源として、地域人材の育成とあわせて体験的レクリエーション活動に活用することも必要である。
地域の伝説には、御前山の名の由来ともなった孝謙天皇と道鏡の伝説、七会村の八瓶山の伝説、弘法大師と徳蔵姫の伝説、目なし観音の逸話など、各地に数多くある。それぞれ地域独特の話であったり、現在でも遺物があったりと、イベントと連動させたレクリエーション的な活用の可能性が多く残されている。
また現在は少なくなってしまったが、古民家、納屋なども広い意味では地域らしさを保有するレクリエーション資源として評価できるものであり、これらの保存と活用も大きなテーマである。