(2) 周辺地域におけるレクリエーション資源の状況
本地域は、東京を起点とする時間距離圏(自動車利用)でみると、概ね1時間30分〜2時間の位置にある。同時間距離圏には、内房・外房、箱根,御殿場、勝沼・甲府、軽井沢、渋川・伊香保、宇都宮などが分布しており、単純な比較においては、高知名度の人気レクリエーション地と競合している。また、本地域は直接の鉄道利用が不可能であるため、東京を中心とした交通条件は必ずしも良いとはいえない。
茨城県、栃木県の主要なレクリエーション資源分布を、首都圏周辺の観光資源の分布を表した(財)日本交通公社のデータからみると、本地域の周辺では、偕楽園、袋田の滝などのA評価の観光資源(全国的な誘致力をもち、観光重点地域としての中心的な役割をもつもの)やB評価の観光資源(地域スケールでの誘致力をもち地域イメージを代表するもの)として笠間などがあるが、それらのような著名なレクリエーション資源の分布密度はさほど高くない。
本地域に深く係わる那珂川の流域におけるレクリエーション資源の分布状況をみると、河川に直接関係する観光やな、名勝が点在するとともに、栃木県馬頭町や茂木町、湯津上村などでは温泉が存在する。また、那珂川はカヌーの適地として全国的に著名で、栃木県から茨城県に至る流域でのポイントは多い。さらに、アユやヤマメなどの川魚の釣り場としても人気が高い。
本地域に隣接する茂木町においては、平成9年8月に本格的な総合モータースポーツパーク「ツインリンクもてぎ」が開業したが、この施設では、年間を通して世界規模での本格的なカーレースの開催を予定しており、利用者も年間100万人を越えるものと想定している。この施設の影響は交通や宿泊、環境(騒音、ごみ等)などの面で少なからず顕在化することは明らかである。