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? おかやまファーマーズマーケット(ノース・ヴィレツジ)

<地元産業と連携したサービス提供>(岡山県勝田郡勝央町)

● 施設の概要

おかやまファーマーズマーケットは平成9年4月に開業した体験型農業公園であり、「都市と農村、生産者と消費者の交流」及び「都市住民が自然にふれあい、農業体験を通じて農業への理解を深める」ことをねらいとして岡山県が整備した。

23haの敷地の中に「食・買・楽・体験」の要素を取り入れており、年間入込見込み目標は30万人だが、開業以来約半年で既に21万人を突破した。

施設のメニューの中で、牛の乳しぼりや糞の処理などの飼育体験、畜産加工施設でのウインナーやバターの生産体験などの各種の体験メニューが特に来園者に好評である。

 

● 地域の活性化効果

上記の体験施設の運営は、地元の農家の後継者や農業高校のOBらがこの施設のために設立した株式会社があたっており、農業関係者の雇用の場を創出している。このほかにも、パート従業員を通常100名程度雇用するなどしている。それらの人々が体験施設や物産販売所において、主に京阪神から来る団体客、家族連れと直接に言葉を交わし、施設整備のねらいである「都市住民とのふれあい」「農業への理解促進」が図られている。

さらに地域全体としても、勝央町が施設周辺の道路整備、サインなどを設置するなどのインフラ整備を行い、また近郊の温泉街が本国と温泉を結びつけた地域一円での観光PRを行うなど、地域観光の目玉として位置付けられ始めている。また、地元の農産物をJA(農協)が入場口付近のテントで販売しているが、多い日で1日あたり100万円の売り上げがあり、早い時間に売り切れになってしまうこともある。この販売状況の要因としては、新鮮な野菜類を安く提供しており、本国内で生産されるパン、ウインナーなどとともに「手作りの本物」という感覚が来園者に受けていることがあげられる。そういった経験により地元住民には「良いものを作れば売れる」という自信が芽生え、「単なる観光施設ではなく農業の実態を都会の人にわかってもらえる施設を」というコンセプトの実現に向けて、住民の意識が大きく変わりつつある。

 

 

 

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